SAPIX(サピックス)の口コミ


特徴

御三家をはじめとする難関校への合格実績が最も高い塾。そのため、いわゆる偏差値の高い“いい学校”へ入れたいと思う親達は、まずはこの塾を検討します。「しかし、授業は成績上位2割に照準を合わせて指導が進むため、処理能力が高い子は伸び、そうでない子はなかなか浮上できず、挫折感を味わうことも。テキストも上位層向けで解説が極端に少なく、授業が理解できていないと厳しいでしょう」(小川先生)

 

 SAPIXに入るには、4年生の段階で、例えば計算なら1年先のものができていないと、授業にはついていけません。優秀で精神年齢が成熟している子は塾での学習だけで伸びていきますが、そうでない子は家庭学習で家族の必死のサポートが必要になります。そういう点では、子どもの能力差で家族の負担度に大きく差のつく塾と言えます。

 

出典: 日経DUAL

 

 


SAPIX

SAPIXは中学受験の最難関校に強い塾です。

開成や櫻蔭の合格者数では他塾を圧倒しています。

その圧倒的な合格実績で高い評価を得ている一方で、カリキュラムについていけない生徒も多い塾です。

活かし方ひとつで、最高の塾にもなるし、最も努力が報われない塾にもなるということです。

 

SAPIXと生徒の特徴、注意点

・下位クラスのお子さんにとっては、サピックスの内容は質・量ともに過剰。

 そもそも、プリント教材の解説などは下位クラスのお子さんが、ひとりで理解できるように作られていません。

 

・授業の内容が理解不足になりがち

 授業に速すぎてついていけない子が多い。

 分ったつもりになります。

 

・理解不足のまま、プリント教材で問題演習をくり返している

 

・量をこなしている割に成績・クラスが上がらない

 これは、サピックスで伸び悩んでいるお子さんによく見受けられるパターンです。

 毎日大量のプリントに追われていると、「宿題を終わらせること」が日々の勉強の目的になってしまいがちです。

 やみくもに全てをこなそうとしたらお子さんはパンクしてしまいます。

 そうならないために、内容を取捨選択して、効率的な家庭学習をすることがポイントです。

 

・クラスアップは、まずはマンスリー対策に重点を置く

 マンスリーは範囲も限られているので、どこが出やすいかほとんど正確に予測できるからです。

 

・スランプ克服法(成績・クラスが急下降した場合の対処法)

 5年生まで上位クラスで順調だったお子さんが、6年生になって急に成績を落としてしまうことがあります。

 6年生になって内容が難しくなっていることです原因と思われます。

 ですから、6年生以降は、これまで以上にご家庭のフォローが必要になってきます。

 さらに、「土特」がスタートして宿題の量も増え、やることが多すぎて消化不良になってしまうケースもあります。

 6年生のカリキュラムに対応できていないことが原因のケースが多いので、お子さんの勉強のやり方を見直していく必要があります。

 

・個別指導(プリバート)に通っているが、結果が出ていない場合の対策

 SAPIXに通っているご家庭のなかには、個別指導を併用している方も多いと思います。

 もし、個別指導も受けていて成績が上がらない場合は、以下の点を改善していく必要があります。

 

 1.分らない問題の解き方を、その場で教わって終わりにしない

 2.教わった問題を、自宅で何回も復習する(自力で解けるようにする)

 3.本当に自力で解く力が身についているか、1週間後くらいにチェックをする

 

 もちろん、わからない問題をきくことは必要です。

 ただ、中学受験の場合、根本的に成績を改善するためには、教わったあとが肝心です。

 いつ・どうやって復習するかなど、勉強のやり方を見直し、結果が出るようにサポートしてあげることが必要です。

 

出典: 中学受験 塾別学習法

 

 

 


◆突破力の「SAPIX(サピックス)」
 首都圏中学受験界の雄。開成中合格者は、定員300名(合格者401名)に対して、2014年度は261名となりました。女子最難関の桜蔭をはじめ、多くの難関中学校で、合格者占有率は50%を超えています。東京校、自由ケ丘校、成城校等の大規模校では、最難関中学校の受験・進学を目指すαクラスが多数あり、頂点のα1からはじまりα2、α3、…、続いてアルファベット逆順でN、M、L、…C、B、Aなどとなり、1学年が20クラスを超える教室もあります。1クラスの生徒数は20人弱です。
 首都圏の優秀な受講者が集まり、成績によるクラス替え、席替えなどの切磋琢磨をしながら能力を伸ばしていきます。教室ごとに、その教室に通う生徒を対象にした志望校別特訓(開成、麻布、桜蔭など)が開講されます。
 授業のたびに、子どもの片手でつかみきれないほどのプリントが配布されるのもSAPIXの特徴です。このプリントをこなしきれる生徒であれば、より力は伸びていくのでしょう。プリントの整理には、保護者の力が必要です。塾に入れたからといって、力が伸びるわけではないようです。

 浜学園の関東進出より早く、大阪上本町・千里中央、兵庫西宮北口といった関西の塾激戦区へ教室を開設しました。

 

出典: リセマム

 

 


メリット

 上位校を目指すならばサピックス、の定評もすっかり確立しているように、御三家を中心とした上位校の合格実績では、他塾を大きく引き離す成果を挙げています。綿密に組み立てられたカリキュラムを軸にして、多量の宿題を出題する進め方は、生徒さんにとってはハードに感じられることはありますが、しっかりとついて行くことで、早期に実力をつけられる強さがあります。特に算数については、5年生終了時には基本的な範囲はほぼ演習を終えて、応用問題での繰り返しスパイラルに新規ページ入るという、他の塾よりもかなり先を進むカリキュラムになっています。塾内テストの成績によるクラス替えの頻度は、他塾にはないもので(→下記カリキュラム項目ご参照)、「上のクラスに上がりたい!」という明確な動機と、競争心を生徒さんに持たせる効果があります。また、カリキュラムの進度が早いため、夏休みから過去問演習が取り入れられるなど、志望校対策も早期にスタートすることができます(→下記志望校対策項目ご参照)。

 

★デメリット

 大手塾の中では、最も相性が分かれるのが(サピックス)ではないでしょうか。メリットとして挙げた内容が、逆にデメリットとなってしまう生徒さんも少なくないと言えます。密度の濃いカリキュラムは上位クラスに在籍していない限りは、かなり難しい内容であり、それがハイペースで進んでしまい、弱点補強をしようと思っていても、塾からの課題が多くて、手がまわらない、といった悪循環を生じかねません。特に6年生になってからのスパイラルは、応用問題中心の繰り返しで、基本を見直すことについて塾ではなかなか時間をつくってもらえません。基本要素を自身で理解している生徒さん以外にとっては、何が何だかわからないうちに進んでいるといったことが起こりえます。

 

 また、頻繁なクラス替えも、逆に精神的な負担となってモチベーションを上げられない結果にもなることもあり、テキストについては、日能研のような本のかたちではなく、毎回分がその都度冊子として配布されるため(→下記テキスト項目ご参照)、ご家庭での整理が大変になります。意識してファイリングなどをしなければ、部屋にデイリーが散らばっていて、どこに何があるかわからないといったことが起きかねません。

 

 上位校を目指す生徒さんに特化している、との指摘は確かにあてはまっている感があります。それでも実績のある(サピックス)について行きたいとされる際には、テキストの整理やスケジューリングなどの環境づくりを、ご家庭でしっかりとサポートすることが不可欠です。

 

転塾について

★サピックス→他塾の場合

難関上位校の実績を毎年高く挙げているサピックスですので、そのカリキュラムにしっかりついて行くことができれば、志望校合格への道は大きく開けると言えます。ただし、上記にも触れましたように、カリキュラムの進度にどうしてもついて行くことができず、結果、悪循環を生じてクラスが下がり続けてしまう、といった現象起きて、しかもそれが続いてしまった際には、転塾を考えることもひとつの方法です。その時期と転塾先ですが、転塾先のカリキュラムがある程度進んでいても、サピックスの進度が先んじているケースが多くありますので、絶対に年度替わりで、とこだわることはありません。ただし、迷ったままにあまり時間を置いてしまうことは、転塾するかしないに関わらず、よい結果にはなりませんので、春休み明けまでをひとつのリミットとして考えるべきでしょう。

 

転塾先については、それぞれの生徒さんと塾との相性もあり、また大事な決断になりますので、慎重に選ぶことが必要です。ひとつの考え方としては、早稲田アカデミーのような、より面倒見がよく、受け入れ体勢のしっかりとしている塾へ移ることが候補に挙がります。

 

★他塾→サピックスの場合

逆に他塾からサピックスへの転塾を考える際には、6年生になってからでは、カリキュラムの遅れを取り戻すことは難しく、それまでの積み上げがないままに、サピックスでのクラスを上げることは困難ですので、できるだけ早く、5年生の夏くらいまでには入塾することが必要です。サピックスは教室によってクラスの数なども異なりますので、通う候補となった教室に足を運んで、様子をしっかりと確かめてから、最終的な判断をするようにしましょう。

 

★志望校対策

 サピックスでは6年生の夏休みに、教室から学校数を指定されて、過去問を宿題として解くことになります。まだその時点では、結果がすなわち合格の可能性の指標とは言い切れませんが、早めに過去問を解くことで、学校の傾向に触れること、目標意識を明確にできること、などの効果があります。また、夏休みから過去問演習に入れるところに、サピックスカリキュラムの進度の早さも伺えます。サピックスでは6年生後期に学校別オープンテストも実施しており、各校の出題内容に合わせたシミュレーションとして、精度の高い実戦的なテストを受けられるメリットがあります。

 

★テキスト

 サピックスの通常授業は、『デイリーサピックス』を主要教材として、黒板授業を進めるかたちとなります。演習教材として『デイリーサポート』、算数では基礎範囲の対策として『基礎力トレーニング』が配布される他、授業プリントで補う構成となっています。『デイリーサポート』については、授業ですべての問題を演習はしませんので、自宅学習で復習や未演習問題を解き進めながら、理解を固めてゆくことになります。サピックスでは、日能研や四谷大塚のように教材がまとめて本のかたちにはなっていません。毎回の授業ごとに1部ずつ配付されますので、予習はできず、徹底的な復習スタイルが確立されています。

 『デイリー』や、土曜の特訓講座で配布される『ウィークリーサピックス』については、ファイルするなどの整理方法を早期に固めるようにしましょう。そのままにしておくと、部屋中に教材が散乱して、どこに何があるかわからない、といった状態に、あっという間になってしまいます。

 

★カリキュラム

 サピックスの特徴として、クラス編成と頻繁なクラス替えが挙げられます。αと呼ばれる最上位クラスの下にAクラスまでアルファベット順に並ぶ編成になっており、在籍クラスはテストの成績によって決定されますので、いかに毎回のテストで得点を上げるかがポイントになります。サピックスのカリキュラム・授業の進度の早さは際立っており、ほとんどの科目において5年生を終了するまでに、ほぼ全範囲の8割近くを消化することになります。6年生ではほとんどの教室が火曜・木曜を通常授業とし、土曜には『土特』と呼ばれる実戦的な内容を進める授業が、また9月からは志望校別対策となる『SS(サンデーサピックスの略)』が実施されます。極めて密度の濃い内容となりますので、自宅学習も含めて、計画をしっかり立てることで、課題に追われてただ塾に通っているだけ、の状態にならないようにすることが必要です。

 

★テスト

 上記にもありますように、サピックスの特徴は塾内テストの成績によって在籍クラスが頻繁に替わることにあります。テストの内容は毎月ごとに行われる『マンスリーテスト』と、年に3回のペースで行われる『組分けテスト』になります。『マンスリー』はそれまでに演習した内容が範囲となりますので、復習テストの意味合いを持ち、『組分けテスト』は範囲がないため、実力テストとして位置づけられます。まずは復習を固めることで毎月の『マンスリー』を確実に得点し、少しずつでもクラスを上げることを目指し(クラスアップに制限があります)、『組分けテスト』で、実力を測りながらより上位クラスでの在籍を固める方針になります。ただし、6年生の後半からは、志望校対策が中心となりますので、在籍クラスにこだわりすぎず、生徒さんそれぞれに自分の状況と志望校の傾向を見合わせることに主眼をおくことが必要です。また、サピックスの生徒さんは9月から四谷大塚の『合不合判定テスト』を受験しますので、その結果を見て、志望校選定を進めることになります。

 

出典: 中学受験!パパとママの勉強部屋

 

 


SAPIXで困ること 

このページでは、お子さんをSAPIXに通わせている親御さんために情報を提供します。

SAPIXの問題点、生徒が困ること、伸び悩む原因などを列挙しています。

以下の問題をご家庭内で解決できない場合は、プロ家庭教師をご活用ください!!

 

 

1.下位クラスの講師のレベルが低い 

四谷大塚や日能研は講師をほぼ社員で固めていますが、SAPIXの場合、下位クラスの講師はアルバイトがほとんどです。

アルバイトが悪いわけではありませんが、やはりプロ講師と比べると指導力は落ちます。

SAPIXは少人数制とはいえ、アルバイト講師ではきめ細かい指導までは期待できません。

下位クラスの授業の質は、低いと言わざるを得ません。

下位クラスに半年以上いる場合、かなり危機的な状態であるはずです。

授業で理解しきれなかった箇所を、徹底して反復させて定着を図ってください。

また、「基礎トレ」など基礎的な問題を繰り返し反復させてください。

大手の塾の中で、下位クラスにいて最も悲惨な状態に陥るのは、SAPIXだと言えるでしょう。

テキストやカリキュラムが上位校向けなだけ、6年生で下位クラスにいては、ますます抜け出せなくなるのです。

 

2.テキストの解説が少ない 

SAPIXのテキストは解説が少なくなっています。

塾の授業で解き方を学ぶからです。

塾の授業で解き方を理解できれば自宅学習は有効ですが、理解できなければ空回りしてしまいます。

解き方が分からない場合、市販の参考書などで補う必要があるかもしれません。

塾の解法と違う場合もありますが、1人で考えていても仕方ありません。

解説の少なさは、1人で考える力を生み出す場合もありますが、時間のロスも生み出してしまうかもしれません。

もちろん、上位クラスの生徒は1人で問題を解き、自分で考えて成長していけるでしょう。

しかし、下位クラスの生徒にそれを求めると、勉強が嫌いになってしまうかもしれません。

親御さんなどが、付き添ってみてあげてください。

四谷の「予習シリーズ」をネットで取り寄せるか、書店で「自由自在」「応用自在」などを購入すると良いでしょう。

 

3.クラスの移動が多い 

SAPIXは少人数の塾です。

それは良いことなのですが、クラスの数がやたらと多く、クラスの移動が多いのが特徴です。

その結果、指導する先生が変わることも多いです。

SAPIXの指導はかなりマニュアル化されているので、それほど気になりませんが、先生に当たり外れがあるのも事実です。

クラスの移動が多いということは、緊張感ができるという良い面もあります。

しかし小学生にとっては、クラスの移動はかなりストレスになります。

クラスが上がっている子にとっては楽しい塾ですが、下がっている子にはフォローが必要です。

塾が楽しくなくなれば、自宅学習にも身が入りません。

クラスを少しずつ上げていくのが受験の王道です。

  

4.試験の復習ができない 

SAPIXの試験は極めてハイレベルです。

上位の生徒には良いことなのですが、やはり下位の生徒には酷だと思います。

しかも解説が不十分なので、間違った箇所を自力で訂正するのは容易ではありません。

試験の間違いを正せなければ、成績はあがりません。

SAPIXの下位の生徒は、空回りする確率が極めて高いので、試験の直しは丁寧に慎重にサポートしてあげてください。

国語の記述などは、大人がそばでアドバイスしないと、まず復習できないでしょう。

下位から上位に上がるには、試験の直しを徹底して行うことが求められます。

特に6年生になってからは、5年の穴埋めを行う作業をしなければならないので、試験の復習は必須です。

 

5.テキストの分量が多すぎる 

たとえば、理科の「新分野別問題集」や、社会の「重大ニュース集」など、いろいろな問題集や資料集などは分量が多すぎ、とてもすべて理解・記憶できません。

明らかに御三家向けのテキストです。

基礎学力の低い子は、どこが重要箇所なのか分からないので、完全に空回りするでしょう。

学力の高い子は多くの分量があっても、知っている箇所は確認に使い、知らない箇所は新たな学習に使えます。

下位クラスの子にとっては、ここでも苦労の種が増えるでしょう。

応用のテキストは、その中から必須な箇所を自分で選んで学ばなければなりません。

しかし、それは勉強の苦手な小学生には困難なことでしょう。

大人が重要箇所とそうでない箇所を示してあげる必要があります。

特に、時事問題などは小学生での自学は難しいはずです。

中学受験は「親が半分」と言われます。

テキストの中から、どの箇所を学ぶべきか、明確に示してあげましょう。 

 

6.勉強が作業的になり定着しない 

SAPIXの生徒をみていると、勉強が作業的だなと感じることが多いです。

今やっている単元が何であり、他のどの単元とつながるのか、あいまいになっているようです。

勉強は各単元がつながっています。

四谷の「予習シリーズ」のようなテキストと比べると、SAPIXのテキストはその辺りが弱いように思います。

上位クラスの正社員の講師はその辺りを分かった上で授業しているようですが、下位クラスのアルバイト講師は分かっていないようです。

たとえば算数の仕事算を考えてみましょう。

仕事算は速さの問題と全く同じなのです。

(仕事算) 全体の仕事= 1日の仕事 × 時間

(速さ)   道のり =   速さ  × 時間

同じですね。

こういったことを理解している先生は、アルバイトではなかなかいません。 

 

7.基礎・基本が定着しない 

意外に思われるかもしれませんが、SAPIXの生徒にも基礎力が不足している子はいます。

上位校向けの塾なのに、と思うかもしれません。

しかし、下位クラスの生徒はむしろ他塾よりも基礎が抜けている子が多いように思います。

なぜでしょうか。

答えは簡単です。

全体的にテキストのレベルが高く、平易な問題の量が少なめになっているからです。

勉強には順序があります。

基礎を固め、標準的な問題を解き、その上で応用ができるようになります。

SAPIXの場合、基礎はできて当たり前という前提のカリキュラムなので、基礎でつまずくと大変なことになります。

テキストが、基礎よりも応用中心なので、基礎力をいつまでたっても身につけられないという事態が生じるのです。

この状態が長く続けば、「基礎トレ」もできないという事態になります。

こうなると自力でクラスを上げるのは不可能になります。

上位校向けの塾だからこそ基礎が定着しないという状況になる可能性が高いのです。

 

8.授業の進度についていけない

繰り返しになりますが、SAPIXは上位校向けの塾です。

御三家受験に対する強さは群を抜いています。

しかし、中堅校を目指す子にはカリキュラムが厳しすぎるようです。

良い・悪いではなく、もっぱら上位校向けの塾というわけなのです。

当然、他塾よりも進度が速いので、下位クラスの子はついていくのがやっとでしょう。

その分、6年には総復習に充てられる勉強時間がより多く取れるわけですが、そこでは基礎はみてもらえません。

そう考えると、SAPIXは最も基礎が抜けやすい塾と言えます。

小3くらいに徹底して基礎力や思考力を身につけた子には最適のカリキュラムですが、ついていけない子が目立ちます。

SAPIXは小6からの逆転が難しい塾なので、小5のカリキュラムに何としてもついていってもらいたいと思います。

コツは算数の「基礎トレ」を常に満点にし、国語は記述ができなくても(もちろんできた方が良いのですが)まずは読解を訓練することです。

応用問題は小6からでも取り戻せますし、文章を正確に読めるなら記述は短期間で書けるようになるからです。

  

9.お客様状態になる 

SAPIXは目下、最も御三家に強い塾です。

生徒たちも塾に誇りを持っているでしょう。

しかし、下位クラスの子たちはSAPIXの生徒だということに満足してしまっている場合があります。

本来は上のクラスに上がれるように努力しなければならないのですが、そんな気持ちを失ってしまった子も目立ちます。

塾も商売なので、成績が伸び悩む子に厳しくできず、お客様状態にしてしまうのです。

成績が伸びていないのに、楽しく通っているだけでは志望校にはとどかないでしょう。

私の指導した子でも、SAPIXの下位クラスのままで小6の秋がきたという子が多くいました。

そういった子には、塾のテストもテキストも手が出ないので、四谷のテキストで志望校対策をしました。

塾はほぼ無意味でした。

それが今の受験の現実です。

SAPIXに通うなら、小5の内に塾内偏差値を50以上にしましょう。

必ず小5の内に、です! 

 

10.奇問・難問に手を出してしまう 

SAPIXの合格実績をみると、御三家には他塾を圧倒する強さがあるのが分かります。

しかし、早慶附属校では、他塾とそれほど変わりません。

なぜでしょうか。

開成や櫻蔭にあれほど強いのだから、早実や慶應中等部にも、もっと多くの合格者がいても良いように思います。

この原因は、SAPIXのカリキュラムが徹底して御三家レベルを照準に合わせているためなのです。

そこで、早慶など御三家の次のレベルの中学を目指す場合、SAPIXのテキストやテストから不要な奇問・難問を排除する必要があります。

しかし、それは小学生にできることではありません。

大人が過去問と照らし合わせて、指示を出すしかないでしょう。

受験は志望校に合格するためのものです。

学力は高いに越したことはありませんが、勉強だけがすべてではありません。

習い事を続けながら受験する子もいるでしょう。

志望校に合格するために最短コースを準備してあげたいものです。

 

出典: 中学受験の塾情報

 

 


SAPIX(サピックス)用語集

 あ行

【ウィークリーサピックス】 

 6年生から毎週土曜に実施される『土曜志望校別特訓(略称・土特)』(【土特】参照)にて使用されるテキスト。サピックスでは『デイリー』(【デイリーサピックス】参照)、『ウィークリー』はテキストを、『マンスリー』(【マンスリーテスト】参照)はテストを指すことに注意。

 

 か行

【学校別サピックスオープン】 

 6年生向けのもうひとつの公開テスト。9月と11月に実施され、対象校の出題傾向に合わせたシミュレーション型のテストになる。平成20年度の対象校は、「開成・麻布・武蔵・駒場東邦・桜蔭・女子学院・雙葉・フェリス・慶應中等部・早稲田中・早稲田実業・筑波大附属駒場・栄光学園」の13校。

 

【基礎力トレーニング】 

 算数の計算・基礎問題を集めた基本問題集。通称『基礎トレ』。自分で解き進められるレベルであることから、毎日の課題になることが多い。基本が抜けたら『基礎トレ』に戻る、といった流れは、サピックスでは必ずしも奨励されないが、必要な作業。5年生までは理科でも『基礎トレ』が存在する。

 

【組分けテスト】 

『マンスリーテスト』とは異なり、範囲のない実力テストで年間3回(6年生は2回)行われる。『マンスリーテスト』がクラスの昇降に制限があるのに対して、『組分けテスト』にはないため、大きくクラスを上げるチャンスがある。また、『組分けテスト』は外部生の入室テストでもあるため、出題範囲を外部生に合わせて、例えば算数で「比と割合」が出題されないなどの特徴がある。

 

【クラス替え】 

 サピックスの特徴として、クラス替えが他塾より頻繁で、クラスによって進度や環境が異なることがある。サピックスのクラス編成は上位をα(アルファ)として(【αクラス】参照)、その下にアルファベットクラスが続くことになる。一番下がAクラスになる。教室の規模によってクラスの数も変わってくるが、最大規模の自由が丘校ではA~R、α6~α1と全24クラスにもなる。クラス替えの基準は『マンスリーテスト』と『組分けテスト』の成績による。

 

【警備員】 

 サピックスの防犯システムのひとつとして、教室の前や帰り道に配備されている。手に持つサピックスの旗が目立つため、塾として防犯体制が取れていることのアピールになっている。防犯でありながら、結果として生徒が交通ルールを守っているかを監視する役割も担っている印象がある。そのためか、無言の迫力のある警備員が多い印象。防具「さすまた」を使う技術も備えている。

 

【月謝】 

 サピックスの月謝システムは入会金が31、500円で日能研や四谷大塚よりも高額にあり、月謝は6年生の4教科で52,500円と、やはり若干他塾より高くなる。ただし費用にはテスト代・テキスト代は含まれているため、合計での違いは年間を通さないとできない。トータルして塾選びの要素とすべき程の違いはない。

 

【コアプラス720】

 理科の知識分野専門教材。かつては5年生には『記憶の535』、6年生には『記憶の635』が教室から配布されていたが、平成21年より、1冊に統合され、5、6年生ともに『コアプラス』を使用することになった。これまで教材費が月謝に含まれていたのが、別途購入になったこと、問題数が535+635から720減ったことなどが話題になったが、問題自体はレベルアップしたとされている。

 

さ行

【さぴあ】 

 サピックスから刊行される情報誌。日能研で言うところの『進学レーダー』だが、『さぴあ』は一般の書店では販売されていない。『進学レーダー』が豊富な情報量と、カラーの写真を使った学校取材などが目立つのに対して、『さぴあ』ではサピックス卒業生の座談会や、学校長へのインタビューなど、アカデミックな方向性で、臨場感のある取材内容に重きが置かれている印象が強い。また、『さぴあ』は学校広告の量がかなり多い。

 

【サピックスカリキュラム】 

 サピックスのカリキュラムはどの科目も進度が速い。例えば算数は5年生終了時に一通りの内容を終えて、6年は応用問題での繰り返しスパイラルに進む。したがって6年生の夏休みには過去問演習を宿題として課すことが可能になる。この進度の速さが上位校での実績で、他塾を圧することのできる原動力であり、サピックスの最大の特徴と言える。ただし、そのカリキュラムは成績上位のクラスを対象としたものであることは否めず、基礎固めについては、どの科目でも自分で進めなければならない。サピックスだから塾のことだけやっていれば大丈夫、という妄信は捨てるべき。

 

【サピックスてんさく教室】 

 国語の記述対策専門の講座。サピックスの国語はAプリントの演習を進めるA授業と、BプリントのB授業とに分かれるが、B授業の中で、偶数番号のテキストで『てんさく教室』が行われる。テキストの中の1問について、専用の解答用紙が用意される。専門部署の添削指導員がチェックを行い、評価とアドバイスが添えて返される。サピックス生が記述に強い要因のひとつを成している。

 

【サピックス偏差値】 

 サピックスにて発表される偏差値は、四谷大塚・日能研・首都圏模試と比べて大きな違いがある。端的に言えば、評価が厳しく数字が低くでる。例えば、女子最難関の桜蔭が四谷大塚で70に対し、サピックスでは63、近年、人気の上がった法政二中が四谷大塚で50に対して、サピックスが39と、大きな違いとなっている。サピックス偏差値で40を超えれば、四谷大塚の51、52以上が目指せるとも言われる。

 

【志望校別サピックスオープン】

 サピックスが実施する6年生向けの公開テストのひとつ。4月・5月に実施され、四教科ともにA、Bタイプの問題が用意される。合計で5時間強にも及ぶのだが、昼休み以外は2時間以上、休みなしで取り組まなければならない。前日にマンスリーテストがあることもあり、体力的にもハードなテストとなる。結果は志望校別に合格可能性が%で算出される。

 

 た行

【デイリーサピックス】 

 サピックスのカリキュラムはどの科目も進度が速い。例えば算数は5年生終了時に一通りの内容を終えて、6年は応用問題での繰り返しスパイラルに進む。したがって6年生の夏休みには過去問演習を宿題として課すことが可能になる。この進度の速さが上位校での実績で、他塾を圧することのできる原動力であり、サピックスの最大の特徴と言える。ただし、そのカリキュラムは成績上位のクラスを対象としたものであることは否めず、基礎固めについては、どの科目でも自分で進めなければならない。サピックスだから塾のことだけやっていれば大丈夫、という妄信は捨てるべき。

 

【デイリーチェック】 

 授業内に行われる復習テスト。前回の授業で演習した内容が範囲となる。点数も出るテストなので、デイリーチェックに関してはとにかく高得点を目指すことが必要になる。ただし、デイリーチェックが満点近く得点できても、クラス替えには関係がないので、安心をしている場合ではなく、と言っておろそかにすることもできない。確認テストとしての位置づけをはっきりとしておく必要がある。

 

【土特】 

 土曜に行われる『土曜志望校別特訓』の略称。平常授業とは独立した内容で、土曜1日で4教科の授業を受ける。「志望校別」としているが、9月からの『SS』(【SS】参照)で行う学校別の対策ではなく、通常授業で積み重ねて来た内容から一歩進んだ、「実戦的な応用問題演習」を徹底的に行う。テキストは『ウィークリーサピックス』。毎回の授業で、前回演習分を確認する『ウィークリーチェック』が行われる。

 

 は行

【プリバート】 

 サピックスの個別指導部門。基本的に講師1人に対して生徒2人のスタイルになっている。授業時間は1コマ60分で、授業料は1年生から6年生まで一律。同じ個別でも、日能研ユリウスが1対1のコースも選べる点、授業料が学年や回数によって変動する点、1コマの授業時間が90分である点など、細かな違いはあるが、授業料としては年間通して見なければ、どちらが得とは言い切れない。いずれにせよ、生徒個人の特性を見ての進度となるメリットがある一方で、集団の緊張感はないので、周りに流されると授業にならないリスクは十分に考慮すべきである。

 

 

 ま行

【マンスリーテスト】

 月に1回行われる塾内テスト。同じ塾内テストでも日能研のカリテや、四谷大塚の週例テストとは異なる意味合いを持つ。毎週と毎月、といったペースの違いだけではなく、ひとつのテストでクラスが決定することになるという重み。サピックスではどのクラスに所属しているかの違いが他塾より大きい傾向がある。その月に演習した内容なので範囲は決まっているが、受ける生徒の緊張感が公開模試並みになることがある。

 

や行 ら行 わ行 英数字

【Aテキスト・Bテキスト】 

 国語の『デイリー』はA、Bテキストの2種類が配布され、授業も分けて行われる。Aテキストでは標準より短めの文章について、記号選択や抜き出しなどの客観性の高い問題を集めた「読解演習講座」と知識問題を集めた「基礎力養成講座」、それに漢字問題が掲載されている。Bテキストは、平均8ページにもわたる長文と、記述問題が10問程度掲載され、客観問題はない。サピックス国語の特徴として、Bプリントを使った記述問題演習に過分に重きを置いていることがある。Aタイプの出題をする学校を志望する場合は要注意である。

 

【Dプリント・Eプリント】

 算数の『デイリーサポート』の中で、応用問題が含まれるページを指す。御三家レベルかそれに準ずる学校を目指す場合にはEプリントまで進めなければならないが、学校によってはCプリントまでを確実に、と、状況に応じた演習が必要になる。特に6年生になって演習課題が多くなった際に、無理にD、Eプリントまで進めることは、逆に理解がおろそかとなるリスクがある。

 

【GS】 

 ゴールデンウィークサピックス(GW Sapix)の略称。正式には『GS特訓』と呼ばれる。GWの連休中に3日連続で、午前から夕方遅くまで4教科の授業があり、一日中勉強漬けになる。勉強面での収穫もさることながら、他の大手塾では同時期に実施していない特訓であり、それを乗り切った達成感は、疲れはありながらモチベーションアップにつながる。

 

【SS】 

 サンデーサピックス(Sunday Sapix)の略称。6年生の9月から毎週日曜に行われる『難関校SS特訓』が正式名称。男女御三家・早慶・駒場東邦・フェリス・桐朋などの難関校対策のための志望校別講座の他に、苦手分野対策の単科講座(参加自由)もあるが、基本的に『SS』と言えば、志望校別講座を指すことが多い。志望校の対象講座がない場合には教室と相談のうえ、参加する講座を決めることになる。

 

【αクラス】 

 サピックスの上位クラスの名称。教室の規模によっては、αもいくつかに分かれるが、最上位はα1で、その下にα2、α2と続く。サピックスのカリキュラムがこのαクラスに照準を当てたものである、との評価があるように、サピックスとしても最も力を入れていることは確かである。

 

出典: 中学受験!パパとママの勉強部屋