中学受験模試について


進学塾の無料公開テスト利用法 

小学3年生を過ぎると大手進学塾から無料学力テストのDMが届くようになります。「無料」という言葉に惹かれます。でも只ほど高いものはないとも言います。果たしてこのテストは受けるべきでしょうか。また受けた後どうなるのでしょうか?

 

■進学塾側の狙い

・生徒集め

無料でテストを実施する塾側の狙いはどこにあるのでしょうか。

第一の目的はズバリ「営業」活動です。顧客データを集めてアプローチする際に、最も効率がいいのは「見込み客」を相手にすることです。

 

進学教室のテストを受けようという層はすでに「見込み客」なのです。そしてテストの際の保護者会で「ゆとり教育」への不安を訴え、中学受験に目覚めさせます。テスト返却の際に「現時点でこの成績の生徒はこんな中学に合格しています。」と子供の可能性を提示します。

 

おまけに保護者会で話す先生は話術に長けた人ばかり。ユーモアも含めながら中学受験について語り、終わるころにはすっかり引き込まれてしまっています。

 

・データ収集

第二の目的はデータ収集です。どんなデータかというと、この学年が受験生になるまで追跡するための基礎となるデータです。前後の学年と比べて平均的な学力はどうか、過去の受験生と比べてどうかなど。

 

・囲い込み

第三に優秀な生徒を早く獲得するという目的もあります。まだ入会していない生徒で将来ポイントゲッターとなりそうな生徒を入会させることができれば、塾の進学実績が高まります。これを生徒勧誘のチラシなどでアピールできるわけです。

 

■上手な利用法

もちろん受験生側にもメリットがあります。

・全国レベルで現在の学力がどの位かを把握できる。

少子化で小学校の生徒数が減っています。また学校では評価も絶対評価であり、大きな集団の中で自分の学力のポジションを知る機会がありません。無料テストでは全国レベルでそれを知ることができます。

 

・塾に通うべき時期を見分けられる。

自分の学力が全国の平均レベルか、上回っていれば今すぐ塾に入らなくてもいいわけです。学年が上がるにつれ塾通いする子供が増えます。その中で成績が低下してきたなら、そろそろ塾に入る時期が来たと判断してもいいのです。

 

「ゆとり教育」でカリキュラムが削減され、遅くとも小4から(最近では小3から)塾に入らないと中学受験は厳しいと言われています。しかしこれも個人差があり、また通っている学校によっても差があります。その時期の目安として利用できます。

 

・不得意分野を知る

テストの返却の際に、各問題毎の他の受験生の正解率が表されたり、単元や分野毎の正答率などのデータが掲載された成績表が配られます。それにより自分の苦手分野がどこかなどを知ることができます。今後の勉強の指針として使えますし、ここを補うには塾へ行かないと難しいかなどの判断もできます。

 

 

塾の説明会に出ると「この塾でいいかも」と思ってしまいがちですが、そこはいくつかの塾の説明会に出たり見学をしたりして決めたいものです。塾側から電話攻勢など強いアプローチがあっても、しばらく考えさせて下さいと答えましょう。

 

塾にも様々なタイプがあり、お子さんの性格によって相性もあります。色々見比べて決めても遅くありません。

 

出典: All About

 

 


首都圏模試センター『統一模試』

 首都圏模試センターが実施する志望校判定のための公開模試です。合不合判定テストやセンター模試のように塾の母体はありませんので、所属する塾に関係なく受験をする模試になりますが、大手の塾では、市進学院、栄光ゼミナールなどの生徒さんの受験率は比較的高くなっています。首都圏模試の特徴としては、受験人数が多いことと、中堅校のデータがより厚みをもって算出されることが挙げられます。

 

 2008年度の3大模試の受験者数を比較しますと、9月以降は合不合判定テストが平均21,000人、日能研のセンター模試が15,000人であったのに対して、首都圏模試は17,000人と、合不合判定テストとセンター模試の間に位置しています。四谷大塚本体と早稲田アカデミーなどの提携塾の塾生にサピックス生も参加する合不合判定テストには及ばないものの、最大級の生徒数を抱える日能研のセンター模試の受験人数を超える生徒さんが受けているという実態は、特筆すべきものです。

 

 また、合不合判定テストが全4回であるのに対して、首都圏模試は全6回と多くなっていることから、より長期にわたる偏差値の動きを把握することができます。中堅校のデータに厚みが出る点ですが、後に触れますように問題の難度が基本から標準レベルになっているため、上位校を目指す生徒さんにとっては必ずしも有効なデータが取れるとは言えないですが、中堅校志望の生徒さんにとっては、同じ目標設定をしている生徒さんとの相対評価が出ますので、非常に参考になる結果を得られる模試と言えます。

 

<首都圏模試「算数」の特徴>

 首都圏模試の算数は、小問30問で配点が1問5点で、150点満点というかたちになっており、大きな構成では四谷大塚の合不合判定テストと同じです。また平均点も75点から80点と、合不合判定テストに近似しています。ただし問題の構成や難度では合不合判定テストとは大きな違いがあることに注意が必要です。

 

 まず、大問数が合不合の12問に対して8問(最難関プレテストを除く)と少なくなり、その分それぞれの大問に含まれる小問の数が多くなります。具体的には、まず第1問の計算が6問で、合不合判定テストの倍です。さらに、応用問題では小問が3問含まれる構成になっています。計算問題の6問はいずれも易問で満点必須のレベルであり、また応用問題の小問数が増えるということは、(1)の問題が極めて得点しやすいレベルになりがちであることを意味します。また小問集合の中には、「4000円の50%は」といった割合の基本や、半径と中心角が与えられたおうぎ形の面積など、基本中の基本を問われる内容になっています。それでも全体正答率が80%を必ずしも超えないところが、首都圏模試の特徴のひとつであり、首都圏模試は易しいと言われる所以とも言えます。

 

 つまりは、合不合判定の第6問までを解きやすくして、問題数を増やした内容になっているとも言えます。合不合判定テストについての説明で触れた、偏差値との兼ね合いからすると、偏差値55以上の学校を目指す生徒さんにとっては、得点データが必ずしも有効とは言えないということになります。

 

 逆に偏差値50以下の学校を志望する際には、合不合判定テストに挑んで、厳しい結果に合うよりも、首都圏模試をどこまで確実に得点できるか、に主眼を置くことの方が有効です。また、生徒さんに自信をつけさせることを目的とする場合にも、首都圏模試の存在意義は大きなものになります。

 

<首都圏模試「国語」の特徴>

 漢字5問、知識10~15問、読解30問前後という構成です。

 最も特徴的なのは、記述問題がなく、すべて書き抜きと記号選択の問題になっている点です。首都圏模試は、ほかの模試よりも易しいといわれますが、それでも、文章は3000字程度の問題が2問あり、文章の内容もかなり手ごたえがあります。

 そのため、書き抜き問題の正答率は非常に低く、50%を超える問題は稀です。選択肢の問題は比較的易しめですが、文章でつまずいてしまうと、すべて「勘」にたよることにもなりかねません。選択肢問題には、傍線部の周辺をよく読めば正解にたどりつける問題が多くあります。その選択肢問題で確実に得点を重ねていくことが大切です。

 

 中堅校を目指す場合は、文章量に圧倒されて、問題を解く時間がなくならないように注意する必要があります。中堅クラスの中学校の入試問題では、6000字を超える文章が出題されることはほぼありません。ですから、時間不足になりそうなときは、とりあえず空欄の前後や、傍線部のまわりだけでも解ける問題を選んで解くことも、ひとつの作戦だろうと思います。

 上位校を目指す場合は、文章量に不足はありませんから、全文をきちんと読み通すことができたかどうかは、毎回チェックするようにしましょう。その上で、書き抜き問題(正答率30%前後のもの)を、できるだけ解けるようにがんばりましょう。

 

出典: 中学受験!パパとママの勉強部屋

 


SAPIX(サピックス)『合格力判定サピックスオープン』

サピックスが実施する公開模試です。当初はサピックス生ならびに志望校別講座に出席する外部生のみを対象としていましたが、2010年より完全な公開模試となりました。

 それまでサピックス生のほとんどは、志望校を判定するための公開模試として四谷大塚の合不合判定テストを受験していましたが、2010年以降は本テストを受けるようになりました。

 対象は6年生のみで、9月から12月までの月1回、計4回実施されるのですが、試験日程が四谷大塚の合不合判定テストとほぼ同じとなります(2011年は9月の第1回のみ異なる日程でした)。2011年のデータでは、本テストの受験者数は4,800名から5,000名で、毎回15,000名以上を集める合不合判定テストとは開きがありますが、難関中学の合格実績で圧倒的な優位を誇るサピックスが実施するものですので、難関を目指す受験生からすれば、より本番に近しいシミュレーションの場とできるメリットがあります。今後の受験者数の動きが注目されます。

 

〈合格力判定サピックスオープン「算数」の特徴〉

制限時間は50分で、問題数は大問8問または9問、小問数では25問前後です。

第1問→計算3問、第2問→小問集合(図形以外)4問または5問、第3問→図形の小問集合3問または4問、第4問以降→応用問題、の構成が多く見られます。

 計算問題は、難度そのものは高くはないですが、例えば0.25=1/4、0.125=1/8といった小数と分数の変換など、解法を知らなければ計算の精度と速度に大きな違いがうまれる問題や、4×9×25×49=□×□(□には1以上の同じ数)といった、ひとひねりされた問題などが出されます。第2問の小問集合も一見取り組みやすそうですが、注意深く対応しなければ正解できない問題が並びます。オープンテストとは言え、厳しいカリキュラムで鍛えられたサピックス生が対象の中心となるため、正確で迅速な問題対応力を求める問題がほとんどになります。

 図形だけの小問集合があることが、本テストの大きな特徴です。基本的な問題が多いですが、やはりここでも解法を踏まえて臨まなければ、時間がかかるうえに正解できない、絶妙な出題が見られます。例えば水槽を傾けた際の水の体積を求める問題。かたちとしては角柱を斜めに切断した立体になりますが、その体積を出す際には「平均の高さ」を活用しなければ手も足も出ません。こうした、知らなければ解答の糸口もみつからないタイプの問題が多く見られます。

第4問以降の応用問題は、速さ・割合・平面図形・立体図形・場合の数・規則性や推理など、重要単元から幅広く出題されています。難度は高いながらも、構成が複雑過ぎたり、問題文の理解そのものが困難であるなどの特殊な問題が出題されることはほとんどなく、適度に難度が高い実践問題が多いです。

制限時間内で解ききることが可能な問題数であるため、逆に捨て問題が作れるテストではありません。そのため、平均点も6割近くにまで達することが多いです。まずは第3問までの計算・基本問題で満点を取り、その後の問題も全問取り組んで、そこから少しでも点数を多く積み上げることを目指すという意識で臨みましょう。

 四谷大塚の合不合判定テストと比べると、問題の難易度の幅がより狭く、ある難度のゾーンに問題が集中していると言えます。そのため、上位校の中でも出題傾向がスタンダードな学校を目標とする場合には内容も合致するテストですが、最難関校を目指すうえでは問題の難度が足りなくなる可能性が高いので、別途『学校別サピックスオープン』を受けることがお薦めです。

 

〈合格力判定サピックスオープン「国語」の特徴〉

制限時間は50分で、問題数は大問4問または5問です。読解問題は2問で、その他が漢字・語句・知識問題になります。漢字は単純な書き取り・読み取り問題ではなく、与えられた漢字を組み合わせて熟語を作るなどのケースが多いです。本テストの国語の特徴のひとつに漢字・語句・知識問題に良問が多いことが挙げられます。与えられた文章の形容詞部分が穴埋めになり、それを指定された字数で答えるものや、同音異義の漢字を組み合わせて二字熟語を作る問題(ア.税金をオサめる。イ.学業をオサめる。ウ.成功をオサめる。→新しい家なので、□□する場所に工夫がなされている。 正解:ウ・ア)など、実践的でレベルの高いものが多いです。

 読解問題は説明文1問と、物語文か随筆文から1問の構成です。文章の長さが回によって非常に長くなることがあります(2011年9月第1回の第4問が約7400字)。ただし、文章の難度は標準的で、理解に苦しむような内容は出題されていません。

 問題は、選択肢問題・書き抜き問題・記述問題と万遍なく出題されており、語句の意味を問う問題も含まれます。全4回を通じて、様々なタイプの問題に触れられるように意図されている印象があります。問題の難度は算数と同様に、超難問は見られませんが、標準から難度高めの問題が並んでいます。 選択肢問題は、選択肢の文章の長さは標準的ですが、内容を確実に理解できていないと正解できないような、レベルの高いものになっています。スタンダードでありながら難しいという点で、教材としての価値が高いです。間違えた問題、何となく解いてしまった問題はしっかり見直して、解答の根拠をはっきりとさせることで選択肢問題への対応力を養成できるでしょう。

 記述問題は1回につき2題出題されることが多く、制限字数は40字から80字以内の間になります。自分の言葉を使わなければ完成しない問題がほとんどで、高い精度の記述力が求められます。記述させる内容も様々ですので、4回全てを受験したうえで、自分がどのようなタイプの記述問題を苦手としているかが把握できます。穴埋め問題では、文章中の言葉ではなく自分でふさわしい言葉考えて答えさせるものが多く、語彙力が必要な難度の高い問題になっています。

 文章の難度については、算数と同様にある難度のゾーンに問題が集まる傾向はありますが、難しい記述問題や穴埋め問題にどれだけ対応できているかを見ることは、難関校の問題に取り組むための指標に十分なり得ます。算数同様に、最難関校を目指す場合は、『学校別サピックスオープン』も合わせて受験しましょう。

 

出典: 中学受験!パパとママの勉強部屋

 

 


四谷大塚『合不合判定テスト』

 四谷大塚が実施する志望校判定のための公開模試で、長い歴史を持つ中学受験模試の代表格です。対象は6年生のみで、4月と7月に予備テストがあった後に、9月から12月まで毎月1回、全4回実施されます。多くの受験生が、この合不合判定テストの結果を最終的な志望校選定の要素としています。このテストは出題範囲が幅広いので、志望校判定だけでなく各科目の苦手分野の発見にも効果を発揮します。偏差値が40以下から70以上の受験者が、実力通りに分布されるように、基本・標準・応用のどの難度からもまんべんなく出題される模試になっています。

 

 2010年からサピックスが合不合と同じ日程で塾内テストやオープンテストを実施し、2011年からはそれらが全てオープンテストとなったため、これまで上位を占めていたサピックス生が合不合を受験しなくなるだけでなく、サピックス生以外の上位層がサピックスオープンに流れてしまう可能性が懸念されます。今後の偏差値の動きには注意が必要です。

 

<合不合判定テスト「算数」の特徴>

 合不合判定テストの問題の特徴は、第一に問題量の多さにあります。算数の場合(予備は除く)、大問11問から13問、小問にして30問にも及びます。制限時間50分で解くには、それに対応できるだけの「解くスピード」が求められます。目標点を設定したうえで、その目標に到達するための問題の取捨選択が必要になります。最難関校に合格した生徒さんでも、最後の大問1、2問には捨て問題をつくっているくらいです。目標とする学校の偏差値から、目標点を設定して、個別の戦略設定をするようにしましょう。

 

 合不合判定テストの大問の問題構成は、第1問→計算3問、第2問→小問集合(基本レベル)6問、第3~6問→割合や比、速さ、図形などの文章題で各小問2問、第7問→小問集合(応用)、第8問以降→応用・発展問題で各小問2問となっています。

 

 つまり基本問題から応用の初歩までが、上記の「第7問まで」となっているのです。そこで例えば偏差値55の学校を目指す場合、合不合では基本的に平均点が75から80点となるように問題作成がなされていますので、算数単科で55となるには90点前後が必要になります。その場合は、算数の小問はすべて5点配点ですので、18から20問を正解することになります。実は上記の通り、大問の第7問までで、ちょうど小問20問となっていますので、この応用の初歩までの第7問までをどれだけ正解できるか、がポイントになると言えるでしょう。

 

 ただし、それまでの範囲の中で、特に第7問には、全体正答率が30%を切る難問がさりげなく含まれています。そこで、そうした問題は無理に深追いせずに、第8問以降の応用問題の(1)だけでも正解することを目指します。限られた時間内ですので、その取捨選択はできるだけ早く判断する必要がありますが、そうした判断力、戦略的なテスト演習力が求められるのも合不合判定テストであると言えます。

 

 さらに上位校を目標とするのであれば、第8問以降でより正答率を上げ、(1)(2)ともに正解できる問題を増やすといった戦略になるでしょう。逆に偏差値50以下の学校を設定する場合には、第7問までの中で、上記のような取捨選択を徹底し、間違えた問題をしっかり見直しすることが必要となります。

 

<合不合判定テスト「国語」の特徴>

 漢字10問、知識7~10問、読解25~30問(うち記述2問)いう構成になっています。

 最も特徴的なのは、読解問題の文章が、ほかの模試と比べ最も長く、難易度の高いということです。首都圏の中学校の入試問題の平均よりも多めの文章量(6000字超)ですから、中堅校を目標に勉強されているお子様には、すべての問題について「考えて解く」という作業がかなり難しいテストといえます。

 もう一つの合不合の特徴は、長くて複雑な選択肢問題にあります。通常、誤答選択肢には、わかりやすい「ウソ」が含まれていますが、合不合の場合は、もう少し複雑です。まぎらわしいものを比べて、より正解に近いニュアンスのものを選べるかどうかが鍵になります。

 記述問題は、文章中の語句を使用して答える問題がほとんどですから、自分で言葉をひねり出すよりも、文中表現をどう利用するかがポイントになります。

 

 中堅校を目指す場合、まずは「できる問題」をしっかり解くことが大切です。漢字や知識は8~10割正解できるはずです。その上で、読解問題の問1、問2などの導入問題や、消去法で解ける選択肢問題をしっかり解けば、十分な成績が戻ってくるはずです。さらに、文中表現を拾いながら記述問題を書けば、より上位をねらえるでしょう。

 上位校を目指す場合は、選択肢、書き抜き問題の正答率を上げることが大切です。選択肢を丁寧に読み、迅速に判断していくことの積み重ねが大切です。

 

出典: 中学受験!パパとママの勉強部屋

 

 


日能研『センター模試』

 日能研が実施する志望校判定のための公開模試です。日能研の塾内テスト・カリテ(カリキュラムテスト)と同様に、答案返却までの時間が2~3日後と極めて早いことが大きなメリットである一方、サピックス、早稲田アカデミーなどの四谷大塚提携塾に通塾する生徒がみな『合不合判定テスト』の受験を選択するために、公開でありながら限りなく塾内テストに近い状況となってしまうことは否めません。

 

 日程上は、合不合判定テストと重なっていないのですが、日能研の生徒さんは、合不合の日程にちょうど合わせて『合格力育成テスト』を受けることになりますので、実質、合不合判定テストを受けられません。逆にサピックス、早稲田アカデミーなどの四谷大塚系の生徒さんがセンター模試を受験するケースはあまり多く見られません。各塾内のテストが重なることもありますが(サピックスの比較合判など)、あくまで照準を合不合判定テストに合わせていること、日曜日を復習や過去問演習にあてていることなどが考えられます。

 

 そこで、中堅校を志望される生徒さんには、思い切って時間をつくって首都圏模試を受験することをお勧めします。中堅校志望の生徒さんが多く集まるのが首都圏模試です。問題も取り組みやすく、いかに正確に高得点を取るか、といった模試ですので、日能研のテストのないところですと日程が限定されてしまいますが、検討の価値は十分にあると思います。

 

 一方、上位校を目指す生徒さんには、四谷大塚の「合不合判定テスト」を演習することをお勧めします。センター模試の難しい問題に取り組むことで、応用力は十分に養えますが、合不合判定での全体正答率60%から70%の、いわば分水嶺となる問題がセンター模試に少ないことは否めません。それにサピックス生が受験するテストですので、ライバルの取り組む問題は見ておきたいところです。

 

 しかし、日能研生は会場に行って模試を受けることはできませんので、問題を購入して、自宅で演習する方法をお勧めします。合不合判定テストの前年度過去問は、四谷大塚で購入(現在は校舎での購入は中野校のみ、それ以外はインターネットでの発注となります)できます。『週例テスト問題集小6下』という教材に、合不合の過去問が記載されています。ただし国語だけは著作権の関係で過去問を入手することはできません。 テスト結果として、詳しい偏差値などは出ませんが、算数であればほぼ150点満点の75点前後を平均点、つまり偏差値50で設定されていますので、大まかな水準はつかめます。

 

 日能研生は、受験当日まで他塾生と同じ土俵に立つ機会がありません。最近の塾別の合格実績を見ると特に難関校については、サピックスの一人勝ち状態です。日能研生は少しでも機会を得て有効な他流試合を行うべきだと思います。

 

<日能研センター模試「算数」の特徴>

 日能研センター模試「算数」の特徴は、同じテストの中で問題の難度にひらきがあることです。大問第1、2問の計算、小問集合については、平易な問題の構成です。ところが大問第3問以降になると、問題の順番にかかわらず、難度が大きく上がる問題が散見されます。問題ごとの正答率を見ると、80%以上の易問と、30%~40%の難問の構成となることが多くあり、その結果、偏差値上位の生徒さん以外には、難しい問題で得点ができないことで、厳しい結果が出てきてしまうことがあります。

 

 例えば四谷大塚の「合不合判定テスト」の場合であれば、大問第3~6問のあたりに、全体正答率60~70%という正解できるかどうかで実力の把握がしやすい問題が分布するようになっています。そのレベルの問題が時折抜けてしまうことがセンター模試の特徴であり、注意すべきところです。

 

 そこで、こうした構成の問題を踏まえ、逆に活用してしまいましょう。つまり、見直しの際に取り組みに濃淡をつけるのです。割り切って、全体正答率が30%を切るような問題については、見直しをせず、それよりも確実に得点すべき正答率70%以上の問題を取れているかに注意を集中するのです。

 

 全体正答率が高い問題であれば、どれだけ正解できているかを確認したうえで、間違えた問題で二度と同じ間違いをしないよう意識しながら徹底的に見直しをする。一方、正答率が低い問題の場合、不正解であった際にはすぐに見直しするのではなくストックしておいて、後で解くことによって、実力アップを実感する。正解していた場合は、大きな自信にして意気を一気に上げる!といった精神面も含めた見直しが有効となるでしょう。

 

<日能研センター模試「国語」の特徴>

 漢字10問、知識15問前後、読解30~35問(うち記述3~5問)という構成です。

 最も特徴的なのは、比較的自由に記述できる記述問題の数が多いことです。「自分のことばで答えなさい」「自分で考えて答えなさい」など、合不合には見られないタイプの記述問題が出題されます。

 知識問題は、やや難しく工夫されています。知っていれば解ける問題というよりは、知っている知識を活用する能力が試されています。

 読解問題の文章は、意識的に字数差が設けられています。3000字を超える長文と2000字未満の文章を組み合わせた出題になっています。設問内容は比較的素直に答えを見つけられる問題が多くなっています。

 

 中堅校を目指す場合は、「漢字」→「知識」→「短いほうの文章題」→「長いほうの文章題」という順で取り組むとよいでしょう。漢字、知識での失点を最小限に抑え、短いほうの文章をしっかりよみ、理解したうえで問題に取り組めば解ける問題も多いはずです。

 上位校を目指す場合には、記述問題の出来に注目してみましょう。文中語句を使う問題は、きちんと要素を網羅できたか確認したいところです。また、自分の言葉で答える問題は、何を根拠に考えればよかったのかを確認しましょう。

 

 一点、センター模試の誤字に対する採点基準については注意が必要です。センター模試では記述問題につきひとつ「文字力」という評価項目があって、○×の記号で一括評価されるのですが、時折、誤字があっても○になることが見受けられます。入試本番では誤字は確実に減点対象となりますので、しっかりと見直すようにしましょう。また、3000字を超える長文を、息切れせずに読めることも大切です。文章全体の流れを頭に入れて解けることが上位校合格の条件です。

 

出典: 中学受験!パパとママの勉強部屋